大洗町市街地、磯前神社に程近い幹線道路沿いに敷地があります。
町内で8年ほど和酒専門の酒店を営んでこられたオーナー夫妻が
近くに店舗付き住宅を新築する計画です。
私たちがこの建物をデザインするにあたり様々な要素の解決が求められました。
1.和酒専門店としてふさわしい佇まい、道路からのアプローチと出搬入動線など。
2.外から生活の様子を見えにくくすること、かつ使い勝手がよいこと。
そして店舗と住宅が動線上合理的に連結されていること。
3.和酒を扱うため数を抑えたガラス窓、その大きさと位置、バランス、
合わせて日射しをコントロールする日本建築としての軒庇のデザイン。
4.アプローチ、エントランス、待合い、レジスペース、陳列スペース、用途別の倉庫
空調機械室など目的と機能の異なる空間要素を美しく強力な構造体(=屋根)のなかに
適切な容積を持つように配置していくこと。
5.ルイス・カーンのサーブドスペースとサーバントスペースの理論に基づき
空間に明確な分離・序列をつくること。
6.店内全体を自然素材で仕上げる上でのデザインと法的な解決。
等々、建築的なテーマ・要素をオーナーとの打合わせを通して解決していき、
古くて新しい落ち着いた佇まいの和酒のお店ができました。