大変遅まきながら、新年あけましておめでとうございます。
本年もゆっくりながら、ブログを更新していきますので
どうぞ宜しくお願い致します。
さて、年末から全然書けていなかったいくつかのイベントについて
振り返りをしていきたいと思います。
前々回の【原木伐採の見学会】午後の部についてやっと書きます。
内容を忘れちゃった。と言う方はこちらへ(^_^;) ⇒⇒⇒【午前の部】
さて、森の中で実際に原木を切り倒す現場を見学した後は、
次の製材工程を見学する為に益子林業さんへ戻ります。
バスを降りて川沿いをお散歩しながら益子林業さんへ到着すると
既にバーベキュー会場の用意がされていました。各参加者のグループごとに
わかりやすくコンロ、炭、食材などが分けられて置かれています。
このバーベキュー参加の皆さんの楽しみの一つだそうですが、すぐに納得。
野菜がすご~く美味しい!!地元の採れ立て野菜を使っているんですね。
お肉も他の食材もたっぷりで大満足のランチでした。
さて昼食後はいよいよ製材工場へ。
益子さんの後を参加者がついていくと、作業をされていた従業員さんが
手を止めて「こんにちわ!!」ときちんとした とても気持ちのよいご挨拶。
順路に沿って材木の皮をむく、板にしていく、乾燥機で乾燥していくなど
いくつかの工程の作業と機械を見せていただきました。
1次乾燥。粗引き(必要な寸法より大まかに板の状態に切り出す)の板を天日干しします。
自然乾燥でこれ以上乾かないという(平衡乾燥)状態まで干します。
その時の乾燥率でだいたい15%位だそうです。
(乾燥率は木材も重量に対して残っている水分の重さの割合です。)
ちなみに建築後、部屋の中での材木は8%以下になります。
いつも触っている柱は乾燥しきっていると思っている方が多いと思いますが
どんなに乾いていても 0%にはならないんです。
ここから、60~65℃の乾燥機に入れます。用途に合わせて乾燥の仕方も違うそうです。
中をのぞいてみると、少し香ばしいようなもや~っとした木の匂いがします。
60~65℃ということもあり出てくる空気は熱風と言うよりは、蒸し暑い感じです。
板の種類や、オーダーによって溝や実(さね・板を組みあわせる時の凹凸。)を作っている作業。
板になる前の丸太が積み重なっています。
説明が前後しましたが栃木・福島・茨城この辺りを含む八溝山系の杉は
【八溝杉・やみぞすぎ】と呼ばれ関東きっての良材として知られています。
その性質は、赤身の色が美しく偏心していない(年輪に偏りがない)
素性が良く狂いにくいなど とても優れています。
切り出された丸太の断面もきれいな真ん丸で、真ん中の赤身は
外側に対してきれいな同心円に広がっていますね。
ちなみに私たちの造るkibacoは木材の部分に、
この八溝杉を100%使った建物なんです。
この後は節(特に抜けてしまう死に節)を埋め木する作業を見ました。
まず節の部分に穴を開けます。
そこに適量の木工用ボンドを注入。
そこに大きさの合う埋め木を選んで入れます。
埋め木はヒノキで、樹種によっては着色もするそうです。
おしまいに、益子林業社長さんが参加者の皆さんからの質問に丁寧に答えてくださり
イベント終了となりました。
このイベントでは最新の森と林業の現状、そして製品・材料として
自分たちの手元に届く過程を実際に見学できてとても勉強になりました。
益子林業さんではとても丁寧に材料をつくり、何よりもご自分たちの仕事を生き生きとやっておられることに
感銘を受けました。こういった材料を使わせていただける事はとても嬉しいことです。
タイミングが合えばお客様と一緒に参加し、ご自宅に使われる材料が
どんな生い立ちなのか是非見ていただきたいと思います。
興味のある方はこちらもご覧下さい。
余談ですが・・・
私たちもこれまでに何度かイベントなどを企画し、やらせていただいています。
こういった段取りや準備はとっても手間がかかり経験が必要です。
今回のイベントは、スタッフの皆さんの企画力やスムーズなご案内がとても素晴らしく
そういった面でも大変勉強になりました。
とっぷりと暮れながらの帰り道になりましたが、スタッフみんな大満足の一日となりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
SEED設計室/株式会社シードの 野田 利恵でした(^_^)